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唐衣 きつつなれにし つましあれば
はる ばるくるぬ 旅をしぞ思ふ
17:30 空が淡い紺になり真昼の月が目立つ
日中建物の中で仕事をしているからか、外へ出た時の暗がりに私は寂しくなる。気温のせいかもしれない。上着ぐらい、持ってきたら良かったなと思いながら帰る。
私は何者でもない。
煙草をコンビニで買える歳なだけ。コンタクトを外せば人の顔さえ見えない。誰とカラオケに行っても選曲を合わせられるだけ。草と花が好き。首絞めセックスが好きなだけ。前髪は自分で切りたい。読書するくせに他人の気持ちが理解出来ない。疲れたら暴飲暴食しては自己嫌悪。
多分その他にも沢山ある。
私が、私のことを全部、知り得ないことも多分沢山ある。
誰かの声で助けてもらえて強くなれた言葉もあれば、それは後に息詰まった言葉でもあること。
◯◯だから偉い、だなんて思わないし、舐めんなよ、とも思わない。
だって私は私だからどうしようもない事実だし。
とにかく無駄が嫌い。
死ぬまで私が無駄だと思う無駄は省きたい。
他人からしたら無駄だと思うそれは、私からすれば無駄じゃない。
目に見えないものは、敵でもない。