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髪が短くなってから首元が冷えて、早くタートルネックのセーターを卸さなきゃと思った。
お気に入りだった紺色のニットは、思ってた以上に毛玉だらけ。とても着れたもんじゃないけど捨てられずそのまま閉まっておいた。
走っている足音が聞こえるようにとにかく焦っている。「こんなんじゃない」と浮かべては雑音に消される日々。兎にも角にも焦って焦って空回りして、もう今にも一層のこと転げてしまいたい、此処で立ち止まりたくはないが転けて一生の傷を負いたい。立てなくなってしまえばetcのような言い訳をポンポンと思い付いて、全力バットで振りかぶっている。命中しないままでいて欲しい。
「今、思いを 繋いできたんだ」
「そう。良かったね」
あまり憶えてないけど、数日前私の夢の中で、確かに誰かを祝福し、誰かを妬んだ。
笑った私を誰も褒めやしないなら夢の中ぐらい素直になれば良かったのに。何を焦ってる。
裸足のマラソンランナー
私は何にもないが、何にでもなる力はあるよ